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電池用語集

電池(一次電池、二次電池)に関する用語について説明するページです 

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あ行
安全性試験 通常の使用、および想定される誤使用において蓄電池が安全性を保てる事を確認する試験です。
一次電池 充電ができない(あるいは充電することを想定しない)、放電のみの電池のことです。想定しないとは、例えばアルカリ乾電池などは充電をしようと思えばできてしまうのですが、これは想定しない使い方であり、破裂などの危険性があります。なお、燃料電池は基本的には一次電池ですが、水の電気分解によって水素と酸素を発生させ、そこから発電する、といった使い方をした場合はあたかも充放電を行っているようにも見えるため、定義が曖昧な部分があります。
インターカレーション 物質の結晶構造の空隙に別の元素が可逆的に脱挿入する反応のことです。リチウムイオン蓄電池ではリチウムイオンが正極活物質と負極活物質に繰り返し脱挿入することで充放電が実施されます。インターカレーション可能な電池電極を発見した功績により、Michael Stanley Whittingham博士がノーベル化学賞を受賞されています。
オーム抵抗 電池の内部抵抗のうち、電流を流すと瞬時に発現する抵抗成分のことです。オーム抵抗は、電池の充放電に伴う発熱に最も寄与します。
か行
開放端電圧 (開回路電圧) 蓄電池を回路から外し(接続を解除し)、一定時間放置し安定化した状態で示す、蓄電池本来の電圧です。
拡散抵抗 リチウムイオン電池において、正負極粒子内部に挿入されたリチウムイオンが、粒子内部に移動する際の抵抗成分です。一般に数秒以上の応答速度を持った抵抗です。
下限電圧 蓄電池の放電時に考慮する電圧の最小値です。下限電圧を超えて放電すると過放電状態となり、蓄電池が劣化したり、安全性が失われたりする場合があります。
急速充電 基本的には蓄電池容量に対する電流値が大きい(ハイレートな)充電の事を指します。どのくらいのレートからが急速充電かが一律に決まっているわけではなく、また蓄電池の種類やタイプによっても異なりますが、例えばリチウムイオン電池の場合は、小型民生用だと1C(1時間で満充電)くらいから、産業用や車載用だと2C(30分で満充電)くらいからを急速充電と呼ぶ場合が多いようです。
クーロン効率 蓄電池の、完全放電から満充電までの充電電気量(Ah)に対する、満充電から完全放電までの放電電気量(Ah)の割合を表します。一般にリチウムイオン電池の場合は99.9%程度になります。
組電池 単電池を直列または並列に接続したユニットの事です。モジュールとも呼ばれます。基本的には同一仕様の単電池を組合せて構築されます(異種仕様の単電池を組み合わせると一般的に制御の難度が一気に上がります)。直列接続によって電池電圧が、並列接続によって電池容量が、それぞれ増加します。
公称 名目の(Nominal)、という意味が含まれており、蓄電池の場合は最低保証のような意味を含んでいる場合が多いです。公称容量、公称電圧などの用語が使用されます。
※公称電圧は蓄電池の平均電圧の名目値であり、一般的には運用中に公称電圧を下回るタイミングが必ずあります。
※公称容量は蓄電池の新品時(BOL)における名目値です。
交流 周期的に方向を変えながら流れる電流の事です。ちなみに、1秒あたりに流れの方向が往復する回数を周波数といいます。
コバルト酸リチウム 再初期のリチウムイオン蓄電池に用いられた代表的な正極活物質材料です。層状岩塩型の結晶構造を持ちます。この物質を正極材料として見出した功績により、John Bannister Goodenough博士がノーベル化学賞を受賞されています。
さ行
サイクル寿命 充放電サイクル耐久性のことで、サイクル回数で表します。この回数は充放電条件(電流、温度、SOC範囲など)や性能(電池容量、出入力、効率など)の下限閾値によって、同一の二次電池でも数値が変わります。言い換えると、これらの条件を定めなければサイクル寿命を定義する事ができないという事になります
三元系正極 ニッケル、コバルト、マンガンが含まれた代表的なリチウムイオン蓄電池の正極活物質材料です。炭素負極と組み合わせることにより、現在市販されているリチウムイオン蓄電池の中では最も高いレベルの電池電圧を示します。
集電体 正負極活物質が固定されている金属です。リチウムイオン電池の場合、正極側がアルミ箔、負極側が銅箔である事が一般的です。これらの金属箔は電池内部で束ねて溶接され、正極側は電池のプラス極に、負極側は電池のマイナス極にそれぞれ電気的に接続されます。
充放電効率 蓄電池の、充電量に対する放電量の割合を指します。ただし、充電量と放電量の単位によって2つの別の指標があり、Ahの場合はクーロン効率と呼ばれ、Whの場合はエネルギー効率と呼ばれます。
充放電試験 充電と放電を繰り返す二次電池の試験のことです。
寿命 二次電池の寿命とは、電池をこれ以上使う事ができない状態と定義する事ができます。ほとんどの場合は性能面でこれ以上使う事ができない状態を指しますが、見方によっては安全面でこれ以上使う事ができない状態(特にリチウムイオン電池)と考える事もできます。
上限電圧 蓄電池の充電時に考慮する電圧の最大値です。上限電圧を超えて充電すると過充電状態となり、蓄電池が劣化したり、安全性が失われたりする場合があります。
正極 蓄電池のプラス極と電気的に接続している内部材料の事です。一般には活物質を指しますが、集電体も含んで表現される場合もあります。
セパレータ 電池内部で正極と負極を隔て、短絡を防ぐ隔壁でありつつも電解質の移動を妨げない、部材です。リチウムイオン電池の場合は、1μm程度の孔が無数に空いたポリエチレンフィルムが使用されている場合が多いです。
セル 単電池のことです。ちなみに、12Vの鉛蓄電池製品には、6つのセルが連結されており、鉛蓄電池のセルは2Vです。
た行
炭素負極 代表的なリチウムイオン蓄電池の負極活物質材料です。最初期にはポリアセチレンやカーボンナノファイバーが用いられていましたが、現在の主流は黒鉛系材料です。炭素負極を導入しリチウムイオン蓄電池の基本構造を完成させた功績により、吉野彰博士がノーベル化学賞を受賞されています。
短絡 電池の正極と負極が無抵抗(ごくわずかな抵抗を含む)で接続された状態です。オームの法則I=V/Rにより、大きな電流が流れます。なお、短絡は大別すると、電池外部で+端子と-端子が接続する外部短絡と、電池名部で正極と負極が接続する内部短絡があります。
チタン酸 代表的なリチウムイオン蓄電池の負極活物質材料です。化学式はLi4Ti5O12です。チタン酸負極を用いたリチウムイオン蓄電池は、炭素負極と比較してリチウムデンドライトが生成しにくく安全性が高い特徴を持ちます。
蓄電池 充電と放電を繰り返せる化学電池の事です。二次電池と基本的に同義(共にRechargeable battery)ですが、日本語としてはそれぞれ使われる場面が少し異なるようです。厳密ではありませんが、蓄電池は組電池製品(例えば家庭用蓄電池、定置用蓄電池、大規模蓄電池など)を指す場合が多いように思われます。
直流 一方向にのみ電流が流れることです(周波数0Hzの交流と考えることもできると思います)。
定格 典型的な(Nominal)、という意味が含まれており、蓄電池の場合は代表値のような意味を含んでいる場合が多いです。定格容量、定格電圧などの用語が使用されます。
※定格電圧は蓄電池の平均電圧の典型値であり、一般的には運用中に定格電圧を下回るタイミングが必ずあります。
※定格容量は蓄電池の新品時(BOL)における典型値です。
定抵抗放電 一定の負荷抵抗に接続した状態での放電です。電池電圧が放電で徐々に低下するのに伴い、オームの法則に従って放電電流が低下していきます。状況としては、電池を抵抗ヒーターや豆電球に接続している状態に近いです。
定電力充放電 一定の電力で充放電することです。二次電池の試験では多くの場合定電流(CC)充放電が用いられますが、実際の蓄電池製品(特に大型で直流交流変換が行われるもの)の動作はどちらかと言えば定電力充放電に近いです。
電解液 一般的には電解質が溶解しイオン化した液体を指します。二次電池(化学電池)においては正極反応、負極反応における物質収支を調整する液体のことです。鉛蓄電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、レドックスフロー電池では水溶液が、リチウムイオン電池では有機電解液が用いられます。なお、同様の役割を持つが電解液に分類されないものとして、電解液をゲル化あるいは固体化したゲル電解質、固体電解質が知られています。
電荷移動抵抗 リチウムイオン電池において、電解液中のリチウムイオンが溶媒和から脱して正負極粒子表面に挿入される際の抵抗成分のことです。一般的に数百ミリ秒程度の応答速度を持った抵抗です。
突入電流 蓄電池を回路に接続した瞬間に一瞬だけ流れる大きな電流です。回路の容量性リアクタンス(キャパシタンス)により生じる事があります。
な行
ナイキスト・プロット LCRの抵抗成分を横軸に、リアクタンスを縦軸にとった、蓄電池の印加周波数ごとのプロットです。ナイキスト・プロットでは一般に、縦軸の上側を容量性リアクタンス(キャパシタンス)とするので、縦軸の上側が負の値となります。
内部抵抗 蓄電池の内部材料や電気的接点に起因する電気抵抗です。蓄電池ではよく、1kHzで測定したインピーダンスの絶対値が用いられます。
二次電池 充電と放電を繰り返せる化学電池の事です。蓄電池と基本的に同義(共にRechargeable battery)ですが、日本語としてはそれぞれ使われる場面が少し異なるようです。厳密ではありませんが、二次電池は、電池の分類としての名称、あるいは単電池を指す場合が多いように思われます。
は行
バインダー 正負極活物質を集電体に固定するための結着剤です。リチウムイオン電池では、フッ素系ゴム素材や、カルボキシメチルセルロースなどがよく用いられています。
負極 蓄電池のマイナス極と電気的に接続している内部材料の事です。一般には活物質を指しますが、集電体も含んで表現される場合もあります。
放電終止電圧 放電を停止する(その判断基準となる)電圧です。これは下限電圧と同値であることもありますが、蓄電システムなど組電池の場合には、安全率確保や運用上の設定により。下限電圧より高い値を敢えて設定する場合があります。
放熱性 蓄電池は充放電時にジュール発熱し温度が上がります。この温度の下がりやすさが放熱性です。
ま行
満充電容量 蓄電池の、満充電状態から完全放電状態までの放電電流量(Ah)のことです。
や行
容量性リアクタンス キャパシタンスの事です。蓄電池の場合、正負極活物質の粒子の粗さ等に起因して容量性リアクタンスが生じます。比較的長い時定数を持った充放電過渡応答の原因となります。
ら行
リン酸鉄 代表的なリチウムイオン蓄電池の正極活物質材料です。化学式はLiFePO4で、オリビンと呼ばれる結晶構造を持ちます。
レート電流 蓄電池の充放電電流の相対的な大きさを示します。C(シー)という単位で表現され、一般に1時間で満充電容量となる電流を1Cと定義します。
劣化状態 二次電池が定格値と比較してどの程度劣化したかを率で表す指標です。一般的には満充電容量の指標SOH(State of Health)が用いられますが、他に出入力特性の指標SOF(State of Function)や充放電エネルギー効率の指標SOE(State of Energy)もあります。さらに、充放電エネルギー効率の結果として生じる運用経済性の指標SOEc(State of Economy)も提案されています。
アルファベット
 BMS バッテリーマネジメントシステムの略称です。
CCCV充電 定電流定電圧(Constant Current and Constant Voltage)充電のことです。初めは電流一定で充電し、充電上限電圧に到達したら電圧を維持しながら電流を絞って充電を続けます。電池の内部抵抗の影響を排除してより深く充電を行うために使われます。鉛蓄電池の場合、浮動充電あるいはフロート充電と呼ばれる事もあります。
CC充電 定電流(Constant Current)充電のことです。常に一定の電流で充電を行います。
CV充電 定電力(Constant Voltage)充電のことです。常に一定の電圧で充電を行います。一般に二次電池は充電率が上昇すると開放端電圧が増加するので、過電圧の関係から徐々に充電電流が減少していきます。
EIS 電気化学的インピーダンス分光法(Electrochemical Impedance Spectroscopy)の事です。多くの場合はポテンショ/ガルバノスタットと、周波数応答アナライザ(FRA: Frequency Response Analyzer)を組合せ、低周波から高周波まで周波数を挿引しながら応答信号を計測し解析する。なお、一般に計測結果はインピーダンスの実数成分と虚数成分であり、これをナイキストプロットに展開して解析する。
GITT 定電流間欠滴定法(Galvanostatic Intermittent Titration Technique)のことです。定電流充電と休止、あるいは定電流放電と休止を、一定時間ごとに繰り返して実施するものです。充放電と休止の時間はそれぞれ異なっていても問題ありません。使い方としては、①通電開始あるいは休止開始の直後の電圧推移から拡散係数を求める ②充分緩和が完了する程度の休止時間を設定し、充電率ごとの開回路電圧を求める などが挙げられます。
HPPC試験 ハイブリッドパルス電力特性(Hybrid Pulse Power Characteristic)試験のことです。主に電気自動車向け蓄電池を対象として適用される試験であり、内部抵抗、分極抵抗等の情報が得られ出入力特性(どの程度までの放電出力、充電入力が得られるか)の情報を解析的に得ることができます。
PITT 定電圧間欠滴定法(Potentiostatic Intermittent Titration Technique)のことです。充電あるいは放電が定電圧で実施される事以外は、GITTと同じです。
SOC 充電状態(State of Charge)のことです。満充電容量(Ah)に対する、完全放電状態を起点とした累積充電電気量(Ah)の率を表します。
UPS 無停電電源装置(Uninteruptible Power Supply)の事です。なお、交流出力のもので電圧が0になる時間を1/4~1/2周期以内に留められる機能を「無瞬断」といいます。

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