最近の社会の動きから見た蓄電池のエネルギー効率の重要性_No.11

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高輝度・低消費電力白色光源を可能とした高効率青色LEDの発明により、赤崎勇先生、天野浩先生、中村修二先生がノーベル物理学賞を受賞されました。授賞理由が示す通り、この発明の最大の社会貢献は照明の光電変換効率を向上し消費電力を低減した事であり、その結果社会全体の省エネが促進された事です。なお、青色LEDの材料である窒化ガリウムは今後も電源デバイス類を省電力化・小型化する可能性があり、期待されています。

もう一つ最近の話題として、固定価格買い取り制度(FIT)※1に基づく太陽光発電売電の新規受け入れ停止を電力会社(北海道、東北、四国、九州、沖縄)が発表する事例がありました。その理由は、電力需要の低い休日の昼間などに太陽光発電の流入電力によって供給が需要を上回り、送配電線の電圧や周波数が変動・不安定化する恐れがあるからでした。もちろん常に需要は変動しているのですが、通常は火力発電所や変電所のオペレーションによって供給量を細かく制御し電圧・周波数の変動を抑えています。しかし太陽光発電や風力発電は天候により発電量が不可抗力的に大きく変動する為、コントロールが効かなくなるのです。送配電線の電圧や周波数は一定の範囲で決められており※2、これを逸脱すると変電所等で送電線が自動遮断され停電が発生します。この自動遮断が連鎖的に起こり、大停電を引き起こした事例もあります※3

しかし、化石エネルギーから太陽光発電など再生可能エネルギーへの転換は地球温暖化対策のために必要な取組みであるため、これまで再生可能エネルギーを受け入れる事による電力供給不安定化を防止する構想が様々に提案されてきました。その一つが分散型電源によるデマンドレスポンスと呼ばれる、蓄電池を送配電網の下流側に多数設置して送配電系統と連系(系統連系と呼ばれます)させ、再生可能エネルギーの大きな変動を吸収させるものです。この様な構想が2016年4月の電力小売自由化※4、2018~20年の発送電分離を睨んで更に活発に議論されています。
現在定置用蓄電池は、災害時非常用電源や省エネ(ピークカット、ピークシフト)※5を目的とした分散化電源として販売されておりますが、将来的にはデマンドレスポンスの機能が必須になるのかもしれません。

さて、分散化電源として多数の蓄電池が送配電網に設置され系統連系される場合に、蓄電池の充放電効率が低いと多くの無駄が生じ、省エネの観点からよろしくないと同時に、せっかくの再生可能エネルギーを有効活用する事ができません。冒頭の青色LEDも省エネで大きな社会貢献をしました。ぜひ蓄電池も高い充放電効率で省エネに貢献してほしいと思います。

※1 資源エネルギー庁(http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/)
※2 1例として電気事業法施工規則第44条(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H07/H07F03801000077.html)
※3 1987年7月23日首都圏大停電などの事例がある
※4 資源エネルギー庁(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/pdf/seido1206.pdf)
※5 リチウムイオン蓄電池まるわかりBOOK(一般社団法人電池工業会)など
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