リチウムイオン電池の放電性能試験規格(全体観)_No.30

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リチウムイオン電池の試験の一つに放電性能試験があり、様々な試験規格に規定されています(試験規格についてはこちらを参考にしてください)。これは、満充電状態から既定の条件で放電を実施し、その時の放電容量(特にAh単位の容量)を測定して、電池が仕様書に記載された通りの容量を示す事を確認する試験です。測定は通常、専用の充放電試験装置・恒温槽を用いて実施されます。この放電容量試験は単電池だけでなく、組電池にも適用されます。

放電性能試験では、試験時の温度と電流を適切に設定する事が非常に重要です。
リチウムイオン電池の充電および放電の終了判定は、電池電圧で行います。電池電圧は開放端電圧と過電圧で決まる事をこちらのコラムの図2でご紹介しました。この過電圧は電池の内部抵抗と電流で決まる値です。
電池の温度が変化すると電池の内部抵抗が変わり、結果として過電圧が変化するので放電容量が変化します。(こちらのコラムを参照してください)また、電流が変化すると過電圧が変わります(こちらのコラムの図6を参照してください)ので、同様に放電容量が変化します。従って、試験の目的を達成するためには、温度と電流を厳密に管理する必要があるので、専用の充放電試験装置・恒温槽が必要になります。

ところで、リチウムイオン電池は様々な容量のものが市販されています。各電池間で統一的に放電容量試験を実施する事を目的として、電流は「Cレート」で管理します。電気化学の領域ではC(クーロン)という単位があり紛らわしいのですが、これは別の概念であり、「シ―レート」と呼びます。Cレートは別名「時間率(単位 1/h)」とも呼ばれ、電流値を電池容量で除した値になります。例えば、以下のようになります。

 ①容量10Ahの電池に対する5Aの電流 → 5A÷10Ah=0.5C
 ②容量6Ahの電池に対する18Aの電流 → 18A÷6Ah=3C

放電容量試験の基本的な温度・放電電流の規定は、室温(20℃または25℃)で0.2C電流です。そのほかに、
 ① 温度を敢えて約-20℃や約45℃程度にした時の放電容量
 ② 放電電流を高率(1C、5C、10Cなど)にした時の放電容量
 ③ ①②の組合せ
を既定条件として測定する事もあります。具体的な条件は各規格に記載されています。

放電に先立って実施される充電の条件は一般に任意となっていますが、通常は室温での定電流定電圧充電が推奨されます※1。充電末期に定電圧で充電電流を絞りながら充電する事で、過電圧による充電容量低下の影響を抑制する事ができます。

なおこの放電容量試験は、他の特性および安全性試験を実施し、その影響を定量するための手段として対象試験の前後に実施される事があります。リチウムイオン電池にとって最も基本的な試験項目と言えるでしょう。

※1 http://www.baysun.net/ionbattery_story/lithium09.html
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