
3月16~18日に開催されました平成28年電気学会全国大会(東北大)にて、弊社より蓄電池の劣化診断に関する研究発表を行いました※。
近年では夜間電力や太陽光発電の余剰分を蓄電し、別の時間帯に放電するといったいわゆる「余剰電力対策」と呼ばれる蓄電システム利用事例が増えてきております。
この蓄電システムにはリチウムイオン電池が使用されることが多いですが、リチウムイオン電池には「劣化」と呼ばれる現象があり、これによって電池容量や充放電効率が徐々に低下し、結果として蓄電システムの経済性も徐々に低下してしまいます。
従って、使用期間全体を通して蓄電システムを経済的に運用する為には、電池の劣化状態の把握が不可欠となります。
そこで弊社では、低コストかつリアルタイム性の高いリチウムイオン単電池の劣化診断手法を研究してまいりましたが、今回の電気学会全国大会ではリチウムイオン組電池(バッテリーモジュール)全体の電池容量と充放電効率を診断する手法について、検討結果を報告いたしました。
家庭や事業者などの電力需要家サイドに設置された蓄電システムは、災害時には重要かつ貴重なインフラとなります。しかし、その導入・普及にはコストや収益性など経済性の面でまだまだ課題があり、特に電池のライフスパン全体を通して経済性が不明瞭である部分を問題視しております。
私たちは劣化診断技術によってこの経済性の問題を解決し、安全安心な社会に貢献していきたいと考えています。
※ 平成28年電気学会全国大会. 7-047