
以前のコラムで、評価試験のオーダーメイドについてご紹介しました。これは、様々な特長を持ったリチウムイオン電池の評価にあたって規格化された試験だけでなく、試験内容や解析方法をマイナーチェンジした非規格試験によってそれぞれの製品の長所をデータとして引き出す必要がある、という内容のものでした。さて言葉遊びの様ではあるのですが、このところオーダーメイドだけでなく、評価試験のコーディネートという事を考える様になってきました。
従来は、試験装置が設置された試験サイトにサンプル電池を持ち込み、試験するという形で蓄電池の評価を行ってきたのですが、最近ではその逆で蓄電池が設置された試験サイトに試験装置を持ち込み、試験する事例が増えてきている様に思われます。その背景としては、蓄電池製品の大型化や、運用中で持ち運ぶ事ができない定置型蓄電池の評価案件(例:劣化診断)増加などがあるのではないかと考えています。
実際にこの様な試験装置持ち込み試験を実施する場合、装置出力と確度がネックとなって試験の実施が困難となる事がよくあります。据付型の装置であれば、お金をかけて大出力・高確度の装置を確保する事ができますが、大出力・高確度装置=大きい・重い、という事になって、そもそも装置自体を持ち運ぶ事ができません。逆に、持ち運びが出来るようなサイズ・重さの装置で試験を実施しようとすると、出力や確度が足らなくなります。
これまでお客様からこのような難しい評価案件のご相談を頂き、試験や解析の方法を工夫して様々なご提案・ご協力をしてきましたが、この場合お客さまが得たい測定データは始めからある程度確定しているのだから、試験・解析方法を個別に構築するオーダーメイドではなく、どちらかといえば試験・解析方法をコーディネートしている(最適化する)のだと最近思うようになりました。
リチウムイオン電池だけでなく、鉛蓄電池・ニッカド電池なども含めた蓄電池の電池反応特性を、試験装置持参でオンサイト評価したいというご希望がありましたらお気軽にお問合せください。評価方法をコーディネートしご提案・ご協力させて頂きます。