
年末年始にスマートフォンが寒さにより突然電源落ちする、いわゆる「寒冷バッテリー切れ」が多発した様で、ネットでもニュース記事が配信されました※1。
この事をきっかけとしてリチウムイオン電池と温度の関係に興味を持つ人が増え、その結果ありがたい事に沢山の方が私達のコラムページにいらっしゃったようです。
この「寒冷バッテリー切れ」の正体は、温度低下がリチウムイオン電池の性能を一時的に低下させ、例えば25℃なら使用できる充電状態でも0℃近くだと使用できなくなる、という現象です。リチウムイオン電池の充電状態そのものが突然変わってしまうわけではありません。
メカニズムとしては、低温によるリチウムイオン電池の内部抵抗の増加と、それに伴う過電圧の増加が要素となってバッテリーに悪さをしています。ちなみに私達はよくバッテリーの性能評価試験をしていますが、このような温度の影響があるので試験中のバッテリー温度は常に注意深く監視しています。
※1:http://www.j-cast.com/2016/01/14255559.html?p=all